【今だから空冷エンジンでしょう!!!!!!Part125】

最終更新日2021/09/04
ZOOM
いつもプレステージのポルシェ大好きブログを

ご覧頂きまして誠にありがとうございます。

散々暑い日が続いたと思ったら、

長雨と同時に半袖では寒い位の気温になるという

両極端な日々が続いておりますが如何お過ごしでしょうか。

急な気温の変化は、体にも負担を掛けますので

体調の管理には特に気を付けて頂ければと思います。

そんな中、今回の写真は何やら染みの跡が付いておりますが

964モデルのフロントアンダーカバーになります。
ZOOM
フロントアンダーカバーの上には、ステアリングラックが

あります。

964モデル以降は、パワーステアリングが装着されますので

ステアリングラックの中は、アシスト用の高圧なオイルが

通っております。

最近、お問い合わせが多くなっているのですが

そのステアリングラックよりオイル漏れを起こしているという

案件です。
ZOOM
こちらの車輌も、ステアリングラック部分より

オイルが漏れているという事で工場に入庫しましたので

早速、状態を確認します。

一番漏れている場合が多い、ステアリングラックブーツの

部分になりますが、左側のラックブーツの部分は

オイルが漏れている様な形跡は無く

問題は無さそうです。
ZOOM
右側のステアリングラックブーツの部分を

覗いて見ます。

黒いラックブーツの根元に、赤い液体の滴の様な

ものが見えます。

これは、パワステオイルになります。

右側からはオイル漏れを起こしております。

試しにハンドルを切ってラックに圧力を掛けますと、

オイルの滴がポタ、ポタと地面に垂れてきます。

このままにしておく訳にはいきませんので

対応策を考えます。
ZOOM
正確な状態を把握する為に、

車輌よりステアリングラック本体を

取り外します。

ラック本体は、そんなに大きい訳でも

重い訳でもなく、この機構のおかげで

一トン以上の車輌を、人間の力で曲げることが出来

更には、油圧のアシストが付くと更に楽に

曲げれる様になると思いますと、如何に

重要な部分かは分かります。
ZOOM
ステアリングラックを取り外す時は、

ラックブーツを一緒に取り外します。

大分やれてはおりますが、左側のブーツは

まだ使用する事は出来そうですが、

オイル漏れを起こしていた右側のブーツは

千切れてしまっておりました。

勿論、今回両方のラークブーツは交換を

行います。
ZOOM
その他の、ラックの状態や品番等を確認します。

964モデルは、車種や年式によって

ステアリングラックに何種類かございます。

今回の車輌の品番は、弊社によってオーバーホールが

可能なタイプでしたのでオーバーホールによる

修理を行う事になりました。

オーバーホールが出来ないタイプになりますと、

新品との交換かリビルト品との交換等、

対応策が限られしまいます。
ZOOM
オーバーホールを行う為に、どんどん分解していきます。

ステアリングラックには、高圧なオイルが通って

いる為、各部の接合部はパッキンやOリング等で

オイルが漏れないように施されております。

オーバーホール時には、そのパッキンやOリング等は

全て新品と交換します。

細かなパーツでも、そこに油圧は掛かりますので

再使用するパーツは状態を確認後、問題が無ければ

綺麗に清掃し組上げていきます。
ZOOM
そしてこの写真は、ステアリングシャフトになります。

ステアリングラックの中に入っており、

ラックの中を左右に貫通し通っております。

これが、車輌のタイヤを左右に切る要になります。

ステアリングラックの中でも一番重要な部品

かも知れません。

このシャフトの状態が悪くなっておりますと

他の部品のオーバーホールを行っても

無意味になってしまいます。
ZOOM
このステアリングシャフトに、曲がり等が

あれば勿論、再使用は出来ませんが

シャフトの表面に傷が無い事を確認する事は

非常に重要な事です。

シャフトに傷があれば、パッキンやOリングを

新品に交換しても、その傷を通ってパワステオイルが

漏れてきてしまいます。

シャフトに傷が出来るというのは致命傷に

なりかねません。

シャフト自体も非常に精密に出来ており

シャフトのみの新品パーツは手に入りません。

シャフトに傷が入ってしまう主な原因は、

ステアリングラックブーツが切れたまま

暫く走り、ラックブーツの中へ汚れや埃が

入りステアリングを切る際に、それを

拾い噛みこんでしまいシャフトを傷つけて

しまったり、パワステオイルが漏れtれいて

パワステオイルの量が少ないまま走り続け

シャフト表面の油膜切れを起こし

ステアリングラック内部で傷をつけてしまう等

があります。

シャフトの状態は、ステアリングラックを

分解してみなければ分からないので

チョットした賭けになります。

写真のシャフトは、問題になる様な傷や曲がりは

ありませんでしたので、このままオーバーホールを

続けます。

ステアリングシャフトに何かありますと

もう新品・リビルト品への交換しか方法が

無くなってしまいます。

もしお乗りのお車が、ハンドルを切った時のみに

何かポンプがギアが唸る様な音が聞こえるように

なりましたら、それはパワステオイルが減って

ポンプが出している音かも知れません。

異音やオイル漏れに気が付きましたら、

まずは早めの点検、修理をお勧め致します。

それでは、また。