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いつもプレステージのポルシェ大好きブログをご覧頂きまして
誠にありがとうございます。
12月に入り、いよいよ寒くなってまいりましたが如何お過ごしでしょうか。
寒くなっても空冷ポルシェは元気です。
快適なドライブを楽しむ為には、まずは点検から。
そんな訳で今回は、空冷ポルシェの良く起こる症状の中でも
走りとは直接関係の無い所から。
しかし、ドライブを楽しむ人間には重要かも知れません。
写真の黒い物体は、エアコン・ヒーターのユニットになります。
これがフロントウィンドウ前下あたりに埋まっており、冷風・温風等を室内に
送ってくれます。
室内の人間が快適にいられるのはコイツのおかげなのです。
写真の物は964用になります。
右側にチラッと見えますが、丸い物がブロアファンになります。
こいつが左右におり、室内に冷風・温風を送ってくれます。
このブロアファンは大変働き物です。季節を問わず働いております。
空冷モデルで送風スイッチを入れると鈴虫みたいな音が聞こえる・・、
これはこのブロアファンが悲鳴を上げている音です。
そろそろ寿命でしょう。音が耳障りなだけではなく、放置しておくと
最悪の場合ブロアから出火なんて事もあり得ます。
音が聞こえ出したら交換の合図と思ってください。
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次の写真は、930モデルの物になります。
真ん中の丸い穴の部分にブロアファンが納まっております。
930は真ん中に一つなのです。
これで送風・温風のやり繰りを行っております。
その周りには、エンジンからの温風を送るホース、室内足元に風を送るホース
デフロスターに風を送るホースが所狭しと配置されております。
しかも如何にも効率の悪そうな曲がりくねった配置です。
一つのブロアファンと、曲がりくねった送風ホース・・・、
これではファンの調子が良くても効率の良い送風は期待できません。
時代を感じさせる部分です。
こうして見ると、930から964への変化で劇的に変わった物は、
このエアコン・ヒーターユニットかも知れません。
この部分に関しては930モデルは遅れていたと言わざるを得ないですし、
また964モデルでようやく時代に追いついたとも言えるでしょう。
ブロアファンに関しては930も964も同じような物を使用しているので、
寿命が有りますし、何れ交換が必要になるパーツになります。
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所変わって、今度の写真はエンジンになります。
走る為の最重要な部分です。その中でもこちらはタペットカバーになります。
写真は964モデルの物になります。
良く空冷モデルでタペットカバーからオイル漏れと言うのは、
このカバーを止めているガスケットから漏れている場合が多いのです。
通常の車ですと、直列エンジンやV型エンジン等が有りますが、
何だかんだタペット(カム)カバーはエンジンの上部にあり、
オイルが溜まりにくくなっております。
それでもオイル漏れは起こるのです。
空冷エンジンは、水平対向なので横にあります。
ハッキリ言えば、漏れやすい構造です。漏れるのは当然かもしれません。
しかし930・964モデルと、993モデルは漏れ方に多少の違いがございます。
993モデルは後ほど述べますが、930・964モデルはタペットカバーはマグネシウムで
出来ております。大変コストを掛けて作られております。
チョットやチョットでは歪んだりしませんのでこれらのモデルのオイル漏れは
ガスケットパッキンの劣化による物が殆どであり、それはジワリジワリと始ります。
その為、気が付いたら漏れていたねと言う
対処をする時間に少し余裕が持てます。
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最後の写真は993のタペットカバーになります。
先程の写真とは違い、993のタペットカバーは金属的な色合いは無く黒いのです。
これは先程の、930・964モデルがマグネシウム製なのに対し
993は樹脂で出来ております。
樹脂だけでは、グロメットで止めれませんので、その部分にはアルミ製のワッシャーを
組み込んでおります。結構手間が掛かっております。
しかもこのタペットカバーも精密に出来ております。
しかし、この精密さが時には仇となります。
樹脂は、マグネシウムより強度が劣る。
しかも、中にはエンジンオイルが流れておりますので熱も加わります。
しかもグロメットを止める部分は、アルミ製・・・・。
熱膨張率も違います。
長年使用すると、タペットカバー自体が歪みます。
そうすると樹脂のカバーの部分とアルミのワッシャーの部分に隙間が出来ます。
そこから一気に漏れが始ります。
精密な分、普段は滲み一つ無い優秀なカバー。
精密な分、歪むとジワリではなくいきなり漏れが始るカバー。
何故、カバーを樹脂にしたのでしょうか。
軽さを求めたのでしょうか。
それとも、そもそも消耗品で要交換部品と判断したのでしょうか。
理由は分かりません。
その為、993はある日突然漏れたオイルがヒートエクスチェンジャーに掛かり
煙を吹くと言った、乗っている人を驚かせてしまいます。
これらは、どれも空冷ならではかも知れませんが、
基本は点検を怠らずにです。
生産されてから20年以上経つ車輌も増えてまいりました。
これからも長く空冷ポルシェと付き合っていく為に、
お心がけを忘れずに。
それでは、また。
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