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こちら 空冷エンジン 整備工場 その13

最終更新日2011/11/14
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いつも、プレステージのポルシェ大好きブログをご覧いただきまして

誠にありがとうございます。

すっかり日が落ちるのも早くなり、だいぶ寒くなってまいりましたが

如何お過ごしでしょうか。

早いもので、後一カ月もすれば今年も終わりです。

そりぁ・・・・・、寒くなるわけです。

そんな中、今日のお題は・・・・・・、写真の物です。

何だかお解りになるでしょうか・・・・・・・。

930ターボ、964ターボ系にお乗りの方はご存知かと思いますが、

大量の燃料を送り込むKジェトロニックの本体になります。

普段はインタークーラーに隠れておりますので

なかなか直に見る事は無いと思いますが、

930・964ターボはこれで燃料を送り

圧倒的な走行性能を発揮しているのです。

では、何故このKジェトロを今回取り上げたかと言いますと、

このKジェトロの構造は非常にシンプルで、左側にあります

円盤みたいなものがあるところを、ピストンに送る空気が通ります。

そして、その空気が通る量に応じて円盤が下に押されます。

円盤の下は梃子になっており、円盤が下に下がると

右側の燃料を送る弁が開き各ピストンに燃料が供給されます。

構造が単純な為、信頼性は高いのですが

稀に乗らない車に出るのですが、乗らないが為に燃料を送る弁が

固着してしまい、動かなくなってしまう場合がございます。

そうなりますと、

アクセルを踏んで空気を沢山送っても弁が固着している為

燃料が供給されず吹け上がらないという症状が出ます。

こうなりますと、

一度Kジェトロを外して状態を確認してみなければなりません。
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そこで、Kジェトロを外してみます。

ガソリンを供給する部分ですので、外すのには手間がかかります。

他のパーツにガソリンが掛からないよう慎重に作業を行います。

ここまでパーツを外したのですから、

他の補記類の状態も確認したいところです。

そんなこんなで作業は進んでまいります。
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そして・・・・・・、ようやく外れました・・・・・・。

Kジェトロの肝の部分になります。

予想通りというか・・・・、相当ゴツイです。

なかなかの重量感です。

このパーツの真ん中にあります、黄金色に鈍く光っているのが、

燃料を供給する弁です。これが上下にスライドして弁を閉じたり

開いたりと、燃料の供給量を調整します。

ちなみに正常な物は、指で軽く押すだけでも動きます・・・・・・・。

しかしこの写真のは・・・・・・・、指一本ではビクともしません。

これでは空気の力だけで、弁を動かせるはずもございません。

スムーズに動くよう、調整を行います。

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早速、真ん中にある弁を抜き取ってみます・・・・・・・・。

固着している為か、簡単には抜けません・・・・・・。

結構な力作業になっておりますが・・・・・・、

精密な部分ですので、傷つける訳にもいきません。

慎重にしかし大胆に・・・・・・・、相反する事を同時にやる、

結構骨の折れる作業です・・・・・・。

もうこうなったら、粘り腰でジックリ行くしかありません。
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そして・・・・・・・・・、ようやく抜けました・・・・・。

この瞬間は、良くやった!!!と自分で自分を褒めてやりたくなります。

しかし、感動に浸っている場合では無く早速、

弁の状態を確認します。

右よし、左よし、表よし・・・・・・・、

円筒なのでどこが裏表なのか分かりませんが・・・・・・・・。

一通り見て、目立った傷も無いのでまずは一安心・・・・。

今度は軽く手で押しただけでも動くように本来の状態に戻します。

目に見えない、ごくごく僅かな錆や汚れも許されないので

入念に掃除をします・・・・・・。

そして、また慎重にはめ込みます。

この後、作動チェックを行い問題が無ければ、

外した手順とは逆に組み上げて完成です。
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折角、パーツもある程度外れていますので、

他の部分の状態も見てみたいと思います。

まずはプラグからです・・・・・・・。

とイキナリ何か・・・・・・・、雲行きが怪しいような・・・・・・、

何か先端が黒く焦げております。

これでは、本来の点火性能を発揮出来ません。

ターボは一気に燃料供給し燃やしますので、点火不良は厳禁です。

あまり乗らない人は、

定期的にプラグの点検を行う事をお勧めします。

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今回の、このターボでは問題なかったのですが・・・・・・・・、

以前別の車で、こんなのが見つかりました・・・・・・・。

手に持っているのは燃料フィルターなのですが・・・・・・、

中が赤くなっております・・・・・・。

これは、紛れもない錆です。赤錆です。

フィルターが頑張っている証拠なのですが、

どこで錆が生れているのかの探ら中ればなりません・・・・。

これは乗らない人のお車にとくに多いです。

この様に、車は乗っても乗らなくても定期的な点検は必要です。

一大事になる前に、ご来店お待ち致しております。

それでは。